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コラム
Column 32

デジタル活用での映像配信

誰でも簡単に扱えるデジタル製品の普及により、いつでも、どこでも、撮影/編集/配信が容易にできる様になりました。
今回は、映像配信についてどの様な進歩や可能性があるのか考えてみました。

1. 映像配信デバイスの技術と進歩

これまで映像を配信するには、業務用のカメラが必要だったり、編集には専用のソフトや機材が必要だったりと、専門的な知識や情報がないと配信すること自体が難しかったのですが、現在では、デバイスや技術の進歩により、スマートフォンやタブレットをはじめ、デジタルカメラやドローンなどが一般化し、いつでもどこでも撮影ができ、編集や配信もツールやアプリを使用することで素人でも簡単に行うことができるようになりました。(図表1)

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図表1 情報通信機器の世帯保有率(出典:総務省ホームページ)


この技術と進歩は、プロの業界でもまた違うかたちで変化/利用されています。
コロナ禍により、自粛や縮小を余儀なくされたエンタメ業界では、今まで特定の会場でしか楽しめなかったイベントやライブがオンライン配信されるようになり、外出自粛や地方在住で会場に足を運べない人々でも、自宅などから映像配信を楽しめるようになり、今までとは異なる楽しみ方、可能性も広がりました。
医療業界では、オンライン診察や手術ロボットを使用したオンライン手術の普及により、対面診察での感染リスク軽減や、過疎地などでの医師不足にも寄与し、放射線機器の撮影装置性能向上により以前より詳細な画像診断が可能になるなど、今後も映像配信を駆使した分野や役割が増えていくものと思われます。

2. 第三者検証での互換と相互運用

第三者検証では、撮影機器にあたるデバイスの開発や評価に携わっていますが、デバイス単体の機能や性能だけではなく、アプリや通信といった互換および相互運用に関わる開発や評価が格段に増えていると感じます。
そして、この互換および相互運用部分が撮影機器に付加価値を生み、映像配信という分野や技術の進化と拡大に繋がっているのだと思います。

3. 映像配信サービスのニーズ拡大

手軽に映像配信が楽しめるようになったことで、インターネット経由での映像配信サービスやシステムは年々増加傾向にあります。無料の映像配信サービスというと「YouTube」が広く浸透していますが、巣ごもり需要も相まって、ここ数年は「Netflix」や「Amazon Prime Video」といった有料の映像配信サービスの加入者も増加しています。 (図表2)

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図表2 有料動画配信サービスの利用率(出典:総務省ホームページ)


これらは主にB to Cで、視聴者を楽しませる娯楽や趣味といったものがメインとなり、テレビのような存在になっていますが、リモートワークなどビジネススタイルの変化により、企業向けB to Bや従業員向けB to Eへの映像配信に対するニーズが高まっています。
社内向けでは、従業員に向けたWebセミナー(ウェビナー)、オンライン会議、コミュニケーションツールなど、社外向けでは営業活動や展示会(イベント)、採用活動などで活用されています。
企業向けの配信サービスは、無料配信サービスでは不安のある、セキュリティー面や視聴管理、編集機能といった部分も充実しており、文字情報よりも沢山の情報を分かりやすく発信できる為、今後もこの流れは拡大していくと思われます。

4. まとめ

映像配信にはあらゆる可能性とニーズがあり、 ネットワーク技術も5Gへと移行し「超高速」「多数同時接続」「超低遅延」が実現されると、更に簡単に、鮮明で高画質な映像を、超高速通信で同時に配信するという可能性が待っています。
私達技術者も来る未来へ備えるべく、日々様々な分野の知識や情報の収集と習得をし、活躍できる場を創出していくことが必要不可欠です。

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