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デジタルトランスフォーメーション(DX)と検証➁

「DX」の課題や検証との繋がりに関するコラムの第2回目です。
前回のコラム『デジタルトランスフォーメーション(DX)と検証①』では、「ITとDXの違い」「DX推進のメリット」について見ていきました。
今回のコラムでは「DX推進における課題」について見ていきましょう。

1. 2025年の崖とは

経済産業省が「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」を展開して以降、「2025年の崖」というキーワードが大きく取り上げられています。
経済産業省は、各企業がDXを推し進めないと、約12兆円もの巨額損失が毎年発生するとの予測結果を発表し、「2025年の崖」というキーワードで警鐘を鳴らしています。
特に、数多くの日本企業は、既存の基幹システムを長年利用してきており、20年以上刷新せずに稼働させ続けている企業が、2025年までに約6割を超えると報告されています。
時代に即さなくなってきつつある既存の基幹システムでの運用を続けることで、時代に即した新たな付加価値を提供する事業の展開が遅れ、企業競争力の低下、更には国内経済の停滞につながると懸念されています。
社会全体でデジタル化が進む中で、不可逆な変化に適応し、データとデジタル技術を駆使して新たな価値を産み出し、それらを介して他社・顧客とつながり、デジタル社会の実現に必要となる機能を社会にもたらすことが、各企業に求められています。

2. DX推進における課題

突然、全世界中がコロナ渦となり、日本においても急速にDXを推進する企業が多くなったように感じますが、DX推進にあたっては、既存の基幹システムが大きな足枷となり、なかなかDX推進が進まなかったという現状も、多くの企業には問題としてあるようです。
「DXレポート」においても述べられているように、企業がDXを推進していくためには、どのようにデジタル技術を活用し、どのようにビジネスを変革するかという明確なビジョンが必要です。
特に、古いプログラム言語で構築された既存の基幹システムを使い続けることで保守運用コストが上がり、更には古いプログラム言語を理解できるシステムエンジニアが減り、システム維持が難しくなるだけでなく、DXで推進すべきデータとデジタル技術を駆使して新たな価値を産み出すことに注力できなくなります。

3. DXと検証

既存企業がDXを推し進めていくにあたり、既存の基幹システムと向き合い、システム刷新が必要不可欠となりますが、システムの移行にあたっては、検証が非常に重要となってきます。
新規構築システムについての検証はもちろんですが、既存の基幹システムを完全に捨てて、新たなシステムを構築する企業は少ないと思われます。
老朽化/複雑化した既存システムから、時代に即した形に刷新したシステムで、従来通り提供していた価値・機能についても担保できているのか、についても十分な検証業務が求められています。
社会全体でデジタル化が急激に加速する中、技術が陳腐化するスピードが速く、時間をかけて学んだとしても、習得したときには古い技術となっている時代に突入しています。加速する時代の中、データとデジタル技術を駆使して生み出された新たな価値に対する検証業務の下支えや、業務を介して他社・顧客とつながることが、今後の検証業界にも求められています。

4. まとめ

  • ●既存の基幹システムでの運用を続けることで、国内経済の停滞につながると懸念されている。
  • ●企業がDXを推進していくためには、デジタル技術を活用し、どのようにビジネスを変革するかという明確なビジョンが必要。
  • ●企業のDX推進のために、検証業界としての下支えがより重要となってくる。
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