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Column 03

IoT機器のLTE通信モジュール検証について

昨今、皆さまの生活にIoT機器が浸透していますが、それぞれ様々な方式でインターネットへ接続しています。どの方式にも特徴が有り、用途や使われる(設置される)場所に適した方式が採用されています。今回は、IoT機器の通信方式について、簡単なご紹介と当社で検証を行っているLTEでインターネット接続されるIoT機器の通信モジュール検証について、ご紹介させていただきます。

1. IoT機器の通信について

現在のIoT機器は多種多様なものが存在します。
例えば、家電はインターネットへの接続機能が搭載されたタイプが一般的になっており、駅や商業施設ではデジタルサイネージが多数設置され、郊外では農業用センサーや河川の監視センサーなど、様々な分野のサービスやインフラで活用されています。

① 通信方式の種類

IoT機器のインターネットへの通信方式は、用途(どのようなデータを扱うか)や使われる(設置される)場所に応じて、通信方式を選択しています。

  • ■ LTE(Cat.1/LTE-M/NB-IoT)
    携帯電話と同じ通信方式、長い距離を通信可能、移動する機器向き、一部のカテゴリは低消費電流
  • ■ Wi-Fi(LPWAタイプ)
    免許不要で広範囲のエリアをカバーできる、IoT/M2M向けの規格で複数の種類がある
  • ■ Wi-Fi(通常)
    家庭やオフィスで使用されているものと同じ通信方式、特定エリア内の配置向け
  • ■ Bluetooth
    比較的短い距離の通信、装置が小型で安価、低消費電力(BLE)

② LTE通信モジュールの特徴

LTE通信方式を採用しているIoT機器には、「LTE通信モジュール」が組み込まれて(外部接続タイプも有り)作られています。その「LTE通信モジュール」の機能を使用してインターネットへの接続が行われています。

モジュール本体のサイズはLTEのカテゴリや機器への接続タイプによって異なりますが、表面はトランプ~将棋の駒くらいの大きさとなっていて、厚みは1~5mmほどです。
インターネットへの接続に関しては、携帯電話と同じネットワークを使用するため、接続可能エリアの人口カバー率が高く広範囲で使用することが可能です。通信料は発生(データ量に応じて)しますが、既存のネットワークを使用できるため新規で構築することが不要となるメリットがあります(各携帯キャリアでIoT向けのサービスがある)。

LTEのカテゴリによって通信速度と消費電流が異なり、用途やデータ量、電源式/電池式などの想定するIoT機器の条件から選択されます。Cat.1>LTE-M>NB-IoTの順で通信速度と消費電流が高くなる形です。
携帯電話と同じで基地局を跨いで通信することができる(ハンドオーバー)ため、IoT機器自体が移動することも可能で、エリア内であればどこでも同じように動作することができます。

2. LTE通信モジュール検証のポイント

どのような対象物の検証でも同様かと思いますが、特徴(優位性)にポイントを置いて検証を行います。
LTE通信モジュールの場合「広範囲で使用できる」、「移動できる」、「低消費電流である(一部のLTEカテゴリ)」です。

このポイントとIoT機器の用途(ユースケース)を掛け合わせ、検証内容を考慮します。LTE通信モジュールは携帯電話と同じネットワークを使用しますが、人が使用するスマホと異なり様々な環境で使用(設置)されることが想定されます。

例えば、屋外(冬季/夏季などの季節や地域を考慮した温度湿度)、屋内(高層階、地下、設備室などの電波環境)、車や電車などの高速移動(連続するHOの環境下)を考慮し、考慮した条件下でIoT機器の使用用途(ユースケース)に応じたデータ通信量/頻度で「低消費電流」が実現できているか検証します。

特に「低消費電流」はIoT機器の通信方式選定(LTEのカテゴリ選定)において、強く影響を及ぼすポイントと考えられます。

IoT機器が電池式で稼働している場合(LTE通信方式の多くは電池式)、電池容量は予め決まっています。
想定する電流値以上が消費され続けると、機器の稼働寿命が減ってしまう(消費電流多=稼働寿命少)といった事が起きてしまいます。低消費電流モデルでは想定する稼働期間が長い(10年など)場合が多いですが、検証は短期間で行わなければならないため、精度の高い検証が必要と考えています。

3. まとめ

今回はIoT機器の通信方式のご紹介と、当社で行っているLTE通信モジュール検証のポイントについて紹介しました。昨今では、通信技術進化や省電力性の向上はスピード感を増しており、技術が進化/向上することで実現可能となった新しいサービスや仕組みも増えています。

新しい技術を取り入れたサービスや仕組み、製品をタイムリーに社会へ提供するため、これらを検証する我々もスピード感を求められ、技術の進化/向上に追従する必要があると感じています。例えば、テスト自動化やCI/DCへの取り組みを強化していくことが挙げられます。

今後はその辺りの事例もご紹介する機会があればと思います。

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