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自動車と半導体について

半導体が不足すると自動車が作れないのはなぜなのか。 自動車の進化と自動運転技術の側面から自動車と半導体の関係についてご説明いたします。

1. 自動車の進化と半導体

自動車が発明された当初は蒸気で車輪を動かしていました。その後、内燃機関であるエンジンを動力源とする車が世界に広く普及しました。その結果、自動車の排気ガスによる大気汚染が深刻な問題となりました。

また我が国でも「2050年カーボンニュートラル」の目標が掲げられておりますが、地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出も問題になっています。これらの問題に対応するため、新しい動力源の自動車が開発されました。

ハイブリッド車
:ガソリンエンジンと走行中に発生した電気を利用するモーターの2つを動力源とする
電気自動車
:充電式バッテリーの電気を利用するモーターを動力源とする
燃料電池車
:水素と空気中の酸素を反応させて発生した電気を利用するモーターを動力源とする
表1-1 自動車の動力源と二酸化炭素排出量
自動車種別 動力源 二酸化炭素排出量 充電 備考
ハイブリッド車 エンジン+モーター エンジンのみに比べると少ない 不要 プラグインハイブリッド車でバッテリーのみで走行させる際は充電が必要
電気自動車 モーター ゼロ 必要 充電する電気の発電方法(火力発電等)によっては、二酸化炭素が排出される
燃料電池車 モーター ゼロ 不要 水素と酸素で発電するので充電不要

いずれも動力源にモーターを利用することで、自動車を走らせるために多くの電子機器が必要となり、その電子機器を制御するためのコンピュータであるECU(Electronic Control Unit:電子制御装置、以下ECU)をはじめとする半導体も必要となりました。

現在では車の主要な部品には専用のECUが取り付けられており、自動車の走行だけでなく、エアバック等の安全装備の制御も行っています。

なお、ガソリン車でもエンジン制御装置や排気ガス制御装置等が使われていますが、ハイブリッド車等に比べると必要な半導体の数は少ないです。

2. 自動運転技術と半導体

動力源以外にも車を運転するドライバーの負担を軽減するため、様々な自動運転技術が開発されています。

自動車の各所に備え付けられたカメラやセンサー、アンテナ等の電子機器から取得した大量の情報をECUが取りまとめ、人工知能(AI)に判断材料となる情報を渡すことで、複雑な自動運転技術を実現しています。

図2-1 自動運転のレベル分けについて(国土交通省)
図2-1 自動運転のレベル分けについて(国土交通省)

大量の情報を即時にかつ適切に処理するためには、電子機器を制御するECUも増やさざるを得ず、このことが自動車に多くの半導体が必要となったもう一つの要因です。

また、2021年4月から特定の条件下であれば、ドライバーがハンドルから手を放してシステムが運転を行う自動運転レベル3の車が公道を走行することが可能になりました。

より高レベルな自動運転を実現するには、さらに多くの情報が必要となり、その情報を処理するため自動車に使われる半導体はますます増えるでしょう。

3. 自動車内の通信技術と検証について

自動車に多くの半導体が使われることで、自動車は単に走る「クルマ」から高度な技術の集合体である走る「コンピュータ」になりました。この走る「コンピュータ」の内部では、複雑な情報のやり取りをするため、2つの通信技術を用いています。

1つはECUとECUの間で情報をやり取りする際に使用するCAN(Control Area Network)という技術で、大量の情報を高速にやり取りします。

もう1つはECUと電子機器の間で情報をやり取りする際に使用するLIN(Local Interconnect Network)という技術で、比較的少量の情報をやり取りします。

2つの技術を使い分けている理由ですが、情報の重要度に応じて最適な技術を使用することで、安全性の確保、自動車の製造コスト低減、配線の簡略化による自動車内の省スペース化等を実現しています。

なお、ECU間では大量の情報を確実にやり取りできなければ、自動車の安全性を保てなくなります。例えば、モーターを制御するECUとバッテリーを制御するECUとで正しく情報をやり取りできなければ、高速道路を走行中にモーターへ電力が供給されず車が停止してしまい、非常に危険な状態になります。

一方、ECUと電子機器の場合は、電子機器としてドアランプを例にすると、ドアランプが点灯しなくても自動車の走行自体には影響がありません。

このように走る「コンピュータ」が正しい動作を行えるか、検証するプロセスは非常に重要です。

誤作動による事故は決して起こしてはなりませんし、ドライバーの負担を軽減する自動運転技術は確実に動作しなければなりません。

また、安全性には直結しませんが、ECUと多数の電子機器の動作も確認しなければなりません。

4. まとめ

新たな動力源の開発や自動運転技術により、自動車は多くの半導体によって構成される、走る「コンピュータ」に進化しました。そのため、半導体が不足すると自動車が生産できないといった状況にもなりました。

また、この走る「コンピュータ」は構造が複雑になったため、検証するプロセスの難易度も飛躍的に高くなりました。

難易度の高い検証プロセスへの1つの解として、客観的な視点から評価を行う第三者検証があります。
第三者認証について興味がございましたら、お気軽にご相談ください。

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